ブレイキンには5つの価値観が存在する。Dyzeeが提唱する新ジャッジシステムがB-Boyシーンに革命を起こす

本日は、ブレイクダンスのかなりマニアックなトピックについてお話しさせていただきます。ブレイクダンスのバトルでよく問題になる「ジャッジ」について。バトルによく参加するダンサーなら一度は感じた事があるはずの感情。

「あのバトルは俺が勝っていた」

その気持ちは、必死に練習を重ねれば重ねるほど納得できないものとなります。そして多くのB-Boyが行きつく先は、

「真剣にダンスをするのはやめよう。」

「ダンスは人と比べるものではない。楽しむ為にやるもの。」

と価値観を変えることになるのです。それはそれでいい事だとは思いますが、そこを諦めずに

「どうすれば最も公平なジャッジングシステムを作る事ができるのか」

という議題に挑戦している一人のB-Boyがいます。それが

B-Boy Dyzee

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彼が提唱する新システムとは、5人のジャッジがそれぞれ下記の要素を採点するというもの。

5つの要素:

  • ファンデーション
  • オリジナリティ
  • ダイナミック
  • 正確性
  • 戦略

このジャッジングシステムが採用された初めてのイベントが、韓国のR-16というバトルの大会でした。

ラウンド毎に画面上に点数が表示されますが、この得点の多さによって勝敗が決められるというシステムです。

 

Dyzeeが考えたブレイキンに存在する「5つの要素」について

Dyzeeの理論では、ブレイキンのジャッジが難しい理由として5つの価値観が存在しているという事を述べています。下記に彼のインタビューの内容を和訳して記載しますのでご参照下さい。

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ブレイキンへのアプローチには様々なものが存在します。You-tubeなどのコメントを見ていると熱い議論が繰り広げられていますが、なぜこういった議論が生まれるのでしょうか?なぜなら、多くのb-boyが各々「ブレイキンとは何か」という定義を持っており、その価値観が世界で唯一正しいものだと考えているからです。

具体的な例として、下記に5つのタイプのb-boyを紹介します。

「技の難易度」が最も大切だと思っているB-Boy

ブレイキンを始めたばかりの人に多い傾向です。彼らはオリジナリティや音楽へのアプローチを気にしません。(例:観客、パワームーバー、フリーズ・ストロング系b-boy、フランスのB-boyなど)

ファンデーション、又はミュージカリティーが最も大切だと考えているB-Boy

このような人がジャッジになれば、「最も踊れている人」に勝利を与えるでしょう。例えオリジナリティーや難易度の高い技があまり無くても。(例:ファウンデーションB-Boy、オールドスクール系B-Boy、サイファー好きアングラ系B-Boy、インターネットB-Boy、ダンス歴7年以内のB-Boy)

オリジナリティーが最も大切だと考えるB-Boy

彼らはダンスにオリジナリティーが無ければ意味が無いと考えています。(例:90年代のB-Boy、多くの日本人B-Boy、サーカススタイル系B-Boy、7 Commandoz)

正確性が最も大切だと考えているB-Boy

彼らがジャッジにつくと、バトルでミスを犯したB-boyには一切の評価をも与えません。自動的に敗北となるのです。(例:自分の好みのスタイルを基にジャッジを下したくない人、大会で勝つ事だけを考えているB-Boy、ダンス歴7年以内のB-Boy)

バトルをスキルの見せ合いでは無く、「相手との会話」だと考えているB-Boy

彼らの価値観は、「いかに相手のダンスに返せるか、又は良い反応をできるか」という場所に置かれています。(例:B-Boyのオリジネーター達、ブレイキンの競争化が始まる前のサイファー文化の中で育ったB-boy )

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新システムのメリット

Dyzeeによると、このシステムを取り入れる事により、主観的になりがちなB-Boy達の価値観が客観的になれるのでは、と考えたのです。例えば「オリジナリティ」の事ばかり考えるB-Boyが、その他のファンデーションやミュージカリティー、パワームーブにも目を向けるようになる。

又、偏った価値観を持つB-Boy達が「何故自分がバトルに負けたのか」を理解する事もできる。確かにDyzeeの言う通り5つの要素をバランス良く取り組んでいけば、素晴らしいダンサーになれるのではないかと思います。

 

新システムへの批判

ブレイキンをアートとして捉える人の多くはこのシステムを批判しています。理由はこのシステムに捉われすぎて勝つ為のダンスをする人が増えるから、といったものです。

 

B-Boyイッセイが世界最強になる??

もう夏も終わりか。。 #redbull #tagheuer #toprocdress photo: @ayato28

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このジャッジングシステムが採用されれば、おそらく冒頭の動画でも紹介した日本の若手B-Boy、イッセイ君が世界最強のB-Boyなる可能性があります。現に、彼はこのジャッジングシステムが採用されたR-16という世界的バトルイベントで3連覇という偉業を成し遂げています。

彼のスタイルはオリジナルのパワームーブをした後に音ハメでフリーズし、その後にフットワークを見せるという勝ちに徹底したスタイルです。(ちなみに私自身は彼の大ファンです。)

ただ彼と対照的な偏ったB-Boyが評価されないとなるとそれはそれで悲しいですね。例えばNew Black-izmのニットさんや、一撃のプリンスさん、アメリカのMeen187、現Style Elementsの皆(Stuntman、A-style、Midusなど)とか。。

 

バイトやリピートなどはどう評価する??

その他の問題点としては、バイトやリピート(前のバトルで使ったネタを再び使う)の評価ができない事ですね。又、「ハイ、これアンタの勝ち!!」と思わせるような感動のスーパームーブを見せたダンサーに対しても、各ジャッジ達は自分のセクションへの採点を5点満点でしなければならないという機械的な部分が少し難しいかな、と思います。

 

ところで何が言いたかったのかと言うと

長々と書きましたが、この内容はDyzeeが今取り組んでいる事が素晴らしいと感じたので、日本の多くのB-Boyにも知ってもらいたいと思って執筆しました。果たしてこれまで新ジャッジシステムを作ろうなんて大それた事を考えた人が過去に存在したでしょうか?

ジャッジの事を批判する人はよく見かけますが、「ではどうすれば公平なジャッジが行われるようになるのか」と考えたのDyzeeくらいしか知りません。 その発想力と行動力は彼のダンススタイルそのものだと思います。

この新ジャッジングシステムは今後も大きなイベントに取り入れられていくのではないかと思いますし、Dyzeeにはこれからも頑張って欲しいと思います!

今後のB-Boyシーンの発展を願って。。。

アーマテーラース、ビィボーイの神〜

アーマテーラース、ビィボーイの神〜

2 Comments

モリモリ

dyzeeで検索して来ました!記事の内容に納得。R16のバトルシステムが今さら理解できましたw そんな今年(2016)はR16が開催されませんでしたね。

またこの記事とは関係ないですが、僕は昔ブレイキンやっており、今はアフィリやっているため、管理人さんに勝手ながらものすごく親近感持ちました。

といっても、管理人さんはハワイでお仕事をされて、ダンスして、ブログ書いてと環境は全く違いますが。

これからちょくちょくチェックさせて頂きます^^

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heysho

コメントありがとうございます!奇遇ですね、お互い頑張っていきましょう(^^)
今年はR16の代わりに「RESPECT CULTURE x CHALLENGE CUP 2016」というイベントが開催されて、同じジャッジシステムでまたもIssei君が優勝したそうです!

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